王子様の、花嫁探し。



明日が、家に帰る日だった。



「あたし、明日帰るんだ」

地面に座って、あたしは言った。



「え?帰っちゃうの?」

「うん」

「もう会えないの?」

「...分からない」



もう、会えなくなるかもしれないね。
そう言おうかと思ったけど、
泣きそうになるからやめといた。



「来て」

「え?」

男の子に手首掴まれて、
そのまま走る。





連れてくれたのは、

「うわぁ....綺麗....」

一面に広がるひまわり...


ひまわり畑だった。



「どうしてあたしをここに連れてきたの?」

「花言葉って知ってる?」

男の子はにっこり笑った。



「花言葉?」

「うん。ひまわりの花言葉はね」

「何?」

「いつでも傍に居るよ」

そう言って笑うあの子は
キラキラしてて、
眩しかった。



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