王子様の、花嫁探し。



「ね、栖羽ちゃん」

「何?」

「僕が強くなったら、


 結婚してくれる?」


男の子は真剣な顔で聞いてきた。



「うん。強くなったら、
 結婚してあげる」


あたしは少し笑った。



「じゃぁ、大きくなったら、
 いつでも、栖羽ちゃんの傍にいるね」


「うん。
 
 強くなって、


 あたしを守ってね」



「うん!約束」

「うん」



ゆーびきーりげんまん....




小さいごろに約束した
叶うことのない約束。



あたしは、
あの子のことが好きだったんだ。


男の子の名前も、顔も、
覚えてない。




﹑`。*¸﹊•﹑,、.,。﹑`。*¸﹊•﹑,、.,。



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