恋戦(コイイクサ)
「友だちって言っても、正確には“友だち以上恋人未満”ね」

「………」

「分かった?」

「………」

分かったかと聞かれれば「うん」と頷けるが、なんだか腑に落ちない…。

とりあえず「分かった」と言う意味を込めて、私は小さく頷いてしまった。

そんな私を見て秋武くんは「ありがとう莉寿ちゃん」嬉しそうにしている。

「ほら、薫もなんとか言えよ」

当の本人はと言うと、一切口は開かず視線をフローリングに落としている。

私と目も合わせようとしないこの人が、私と友だちに……いや、違う“友だち以上恋人未満”になりたいと思っているのだろうか。

疑問に思うが、女嫌いだと言う新堂くんに対して身の危険を感じることがない私は、“友だち以上恋人未満”の言葉を甘く考えていた。

ほんの少し腕に触れられただけでもあんな反応するのに、“友だち以上恋人未満”と言ってもそれなりの関係を築けるのか。

普通の“友だち”になれるのかも若干疑問に思う。



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