恋戦(コイイクサ)
「でも、どうして私なの?」

「ああ、それはね。莉寿ちゃんは大丈夫だったから」

「大丈夫だったから?」

「そう。説明するより、実際やってもらった方が手っ取り早いね」

秋武くんの言葉に反応したのか、私がこの部屋に入ってから初めて新堂くんが顔を上げた。

すっと上げられた視線が私の視線とぶつかる。

新堂くんを見たのは今日で三回目。

一度目は声を掛けた時。

二度目は教室のドアから遠く離れた新堂くんを見た。

三度目に漸く間近でじっくりとその顔を見たが、やっぱり新堂くんは男前だった。

食い入るように見つめていると、「ちょっと触ってみてくれる?」秋武くんの声によって私の意識が瞬時に戻って来る。

新堂くんの腕を掴み、私の前に差し出す秋武くん。

「え?」

疑問の声を出すと「ほらほら」と新堂くんの腕に触れるよう秋武くんは私を急かす。




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