恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
先生は遠くを見つめ語りかけるように歌う。
それを感じ取ったのか騒いでいた生徒たちが静かになった。
その曲は聞いてる誰もが励まされる応援歌で、熱いものが込み上げてくる。
ただ先生をみつめる事しか出来ない。
先生、
私を励まして・・・
「ちょっ、小春!?」
莉子が私を見てビックリする。
「・・・え?」
頬に湿り気を感じる。
手に取るとそれは涙だった。
知らない間に泣いている程、先生に夢中になっていた。