恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

近付く夏


夏になり先生とはほんの少し話せる様になった。
といってもいつも話すのは体育館で、莉子の田崎先輩を見に行く付き添いの時。


少しでもいいから顔を見たい、話したい。


まず、体育館に行ったらコートの中を探すのが日課になっていた。



「おっ、出たな。のぞきコンビ。」

先生は体育準備室から出てきたところだった。


「のぞきって!人聞きの悪いー。これは応援なんです!!」

莉子がしかめっ面で答えた。

「ほぅ~」と冗談ぽく先生は頷く。



「柴田は誰狙いなんだ~?協力してやってもいいぞ。」



えっ!!









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