恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

文化祭





文化祭当日

文化祭委員は最も忙しい一日である。




「柴田!これマイク校庭に運んで!!」


「はい!!」


同じ委員の2年の大谷先輩は的確にテキパキと指示を出してくれる。

大谷先輩がいなかったら多分ここまで出来ていなかっただろう。




無事開会式が済み、少し休憩時間が出来た。

文化祭委員のテントで腰を落として一息付く。


頬に冷たいものが当たって見ると

ペットボトルを持った大谷先輩が立っていた。


「お疲れ、これおごり」

とペットボトルを差し出す。


「いいんですかぁ!ありがとうございます!」


暑さに負けてゴクゴクを喉を潤す。



「何だか俺たちのやってきた事が実現してるんだなぁ~」


ホント、今まで頑張ってきたんだもんね。

やってきた以上成功させたい!


「そうですね!成功させましょうね!

じゃ、先輩また後で。」


私は立ち上がって次の仕事場に向かおうとしていた。



「あっ、待って!」

「はい?」






< 75 / 144 >

この作品をシェア

pagetop