恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
それは紅茶が入ったペットボトルだった。
あっ!
「先生、ありがとう!」
「たまたま余っただけ。」
先生はそう言うけど私知ってるんだよ。
いつもコーヒーばっかり飲んでる事を。
体育館行くと準備室でマグカップ片手にコーヒー飲んでる姿見てるもん。
あの時言った事覚えていてくれてたなんて嬉し過ぎるよ。
あの時先生は大谷先輩におごってもらえって言ってたのに今更何でくれるかな?
でももうそんな事どうでもいい。
先生が私の為にしてくれたって事で嬉しさ一杯で、もっと好きになるよ。
先生は微笑んで“何だ?文句でもあるのかぁ~”と言った。
先生がくれた紅茶はレモンティーだった。
それは私が好きな銘柄のもので、いつも飲んでる味なのにこの時は少し酸っぱくて甘ったるいレモンティーだった。