夏恋




「あのさ、葉山くん」




「ん?どしたの?相内」



「今まで、付き合ってくれてありがとう」




丁寧に頭を下げる



「え?なに」



「知ってたんだ、葉山くんが佐原さんを好きだってこと」



驚いた顔してる




「なんで・・・・」


「だって葉山くん、ずっと相内さんのこと見てた。・・・・私なんて、入る隙間もないくらい」




「・・・・」



「だから、私と別れたら、きちんと佐原さんに気持ち伝えてね」



「相内は・・・・」


「私は、葉山くんの笑顔が大好きだから。佐原さんを見てるときの葉山くん、すっごくいい笑顔だった・・・・」




「相内・・・・」


「私にはそんな笑顔にできないから・・・・」





「だから、ばいばい」




最後まで笑顔をつくれずに、走りだした










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