ちぇりーらぶ

in居酒屋



*いち





バンッ


俺はある居酒屋の戸を
思いきり開けた。

そしてある人の顔を
見て、手を上げた。

「おい陽介、話がある」

陽介は居酒屋の
エプロンを着て、
皿を持っていた。

「おい…!」

「待てよ。今休憩
もらってくるから」

陽介は皿を置き、
奥へ行った。

酒のにおいと人の
ざわめきで酔いそうになる。

よくもまぁこんな所に
いれるなぁと俺は
しみじみ思った。

あの後、音夢は泣き疲れたのか
寝てしまったので、
俺は音夢を残してここに来た。

「一夜、悪いな」

「ああ、こっちこそ
いきなり悪い」

「外行こーぜ。
ここうるさいから」

陽介は外を指差した。

「ああ」

俺はこの店から出れて、
少しホッとした。
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