夢みる蝶は遊飛する
想像以上にその部屋は、大量の物で溢れかえっていた。
掃除の結果。
誰のものとも分からない、汗が染み込んで黄ばんだTシャツが8枚。
うち2枚は黴が生えていてぞっとした。
タオルは5枚見つかり、いずれも皺だらけで変色していた。
制汗プレーの缶は22本も放置されていた。
どれも中身は空だったので、ガス抜きをして捨てた。
使用済みの汗ふきシートは何十枚も床に散らばっていた。
ペットボトルは15本あり、中に残った液体が黒く濁っているものや、茶色い藻のようなものが浮遊しているものもあった。
漫画は回し読みしたのか擦り切れていて、30冊は軽く超えていた。
掃除用の金属製トングでごみをひとつひとつ袋に入れていく。
あまりの悪臭に、舞が保健室からマスクをもらってきた。
けれどその繊維の間からも、私の鼻腔を臭いが攻撃する。
痛みさえ感じるほどの悪臭だった。