夢みる蝶は遊飛する


想像以上にその部屋は、大量の物で溢れかえっていた。



掃除の結果。

誰のものとも分からない、汗が染み込んで黄ばんだTシャツが8枚。

うち2枚は黴が生えていてぞっとした。

タオルは5枚見つかり、いずれも皺だらけで変色していた。

制汗プレーの缶は22本も放置されていた。

どれも中身は空だったので、ガス抜きをして捨てた。

使用済みの汗ふきシートは何十枚も床に散らばっていた。

ペットボトルは15本あり、中に残った液体が黒く濁っているものや、茶色い藻のようなものが浮遊しているものもあった。

漫画は回し読みしたのか擦り切れていて、30冊は軽く超えていた。


掃除用の金属製トングでごみをひとつひとつ袋に入れていく。

あまりの悪臭に、舞が保健室からマスクをもらってきた。

けれどその繊維の間からも、私の鼻腔を臭いが攻撃する。

痛みさえ感じるほどの悪臭だった。

< 129 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop