夢みる蝶は遊飛する
その他に落ちていた成人向け雑誌を見つけた舞が、激昂して桜井くんに詰め寄っていた。
「ちょっとなにこれ! あんたもまさか読んだわけ!?」
「いや・・・俺も健全な男子高校生だからさー・・・」
さすがの桜井くんも気まずそうだ。
「さいってい! 信じらんない! 男ってほんと嫌、不潔!」
騒ぎ立てる舞を見て、須賀くんが慌てて、俺は読んでないから! と私に言ってきた。
別にそんなことは訊いていないのに勝手に言うところが怪しい、と思った。
けれどそのことについて深く考えたくはないので、彼の言葉を信じることにした。
何とか綺麗になった部室を見て、一応満足した。
自分の部屋でさえもこんなに真面目に掃除したことはない。
長い年月をかけて染みついたと思われる臭いは、少し換気しただけでは完全に消えはしなかったけれど、幾分かましになった。
時刻はもう午後6時になっている。
先ほど点けた切れかけの蛍光灯が、チカチカと点滅してうるさい。