夢みる蝶は遊飛する
母が自ら命を絶った理由。
それを夏希さんになすりつけようとしていた自分がいることは気づいている。
本当は、私のせいなのに。
私はあまりにも多くの罪を背負いすぎている。
だから、ひとつでも降ろして楽になりたかったのだ。
この重荷がなかったら、自分はきっとどこへでも飛んでいけるのだと思いたかった。
すべてを失った私にも、まだ未来はあるのだと信じたかった。
でも、もう私には、生きていく場所も、これから歩んでいくための道もない。
翅はひどく傷つき、いくら温めても、もう飛ぶことはできない。
だから私は願うのだ。
未来はいらないから、過去を返してほしい、と。
母が抱えていた、自ら死を選ぶほどの絶望。
父が隠していた、病に冒された身体の痛み。
私はそのどちらも、味わっていないのだ。
罰せられるのは両親ではなく、私だというのに。
どうして私への罰は、これからも“生きていく”ということだけなのだろう。
“生きている”ことが、私の罪なのに。