旦那様は社長 *②巻*
「もっと可愛い起こし方できねーのかよ、お前は」


「例えば?」


「例えばー…“おはよ、あなた♪”とか言ってキスしたりするだろう、普通は!! オレたち新婚なんだぞ? もっと色気出せ、色気を」




……は?色気?



「寝言は寝て言って」


「なんだよ、オレのささやかな夢をたった5秒で壊すな!! せめてハネムーンの間くらいオレのワガママ聞いたってバチ当たんねーよ」


「よく言うわよ!! ハネムーンの間ずっと悠河の言いなりじゃない、あたし!! せっかくボラボラ島まで来て人が思い出作ろうとしてるのに、いつでもどこでもエロイことしか考えてない人に言われたくない!! もう今日の夜には日本に戻るのよ?!」


「だから?」


「だから!!残り少ない時間で2人の楽しい思い出を作りたいの!!」





ーーそう。


もう今日がボラボラ島最後の日。



あっという間の一週間だった。




憧れだった“カヌーブレックファスト”

初めての体験にすごく感動したっけーー…

だって、本当にボートで朝食を運んでくれるんだもん!!



ビーチでのディナーもロマンチックだったな…


ーーたくさんの星とキャンドルの明かりだけが頼りで。




周りのカップルがイチャイチャし始めて、なんとくなくあたしたちまでそんな雰囲気に流されたり。




仕方ないからキスまでは許して……


でもすっかりその気になった社長に拉致されて……



あとは……





お決まりのコース。




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