私の道 ―(実話)―
「そっか…よく話してくれたね、ありがとう…辛かったね」



お母さんの目に涙が浮かんでいた。



「赤ちゃんはね、お空からいつも梨華の事を見守っているわよ。
恨んでなんかいない」


「ほんとうに…?」




「でもね自ら命を捨てたら、赤ちゃんの元には行けないのよ。
そんな事をしても、赤ちゃんは喜んでくれないから」



「赤ちゃんは…どうして私を選んじゃったの?」


「みんな意味があって産まれてくるの、それぞれ使命を持ってるの。
梨華に陸くんを忘れさせる為だったかもしれない、一人でも生きていく試練を与えたかったのかもしれない。
何かの意味はあったのよ」


< 269 / 287 >

この作品をシェア

pagetop