ice prince
牧野さんが座っていたところに
怜のお母さんが座る。
しばらくの沈黙の状態を変えたのは
怜のお母さんだった。
「怜…なのよね??」
「あぁ…」
「…ごめんなさい。
あなた達を置いて行くようなことをして…」
「……」
怜はふいっと視線を下げた。
「あのね、私は貴方と真奈を置いていくことは凄く辛かったわ。
でも、そうすることしか出来なかった。
あなたのお父さんとは結婚してから
うまくいかなくなって、喧嘩してばかりで…
気がついたときからお酒を飲むと、暴力を振るわれて。
でも私は貴方たちと居たかった。
おなかを痛めて産んだ子ですもの。
だけどやっぱり私は我慢が出来なかった。
だから離婚しました。
あなたのお父さんに子供たちには
きちんとした生活を送らせてと言ったんだけど
あの人はあなたと住まなかったみたいで
私も焦ったわ。
だから叔父さんに頼んだの。
そして貴方たちが十分暮らしていけるな
そう思ったころ私はあの町を出てここに来た。
これが、私の知っている真実。」