俺様執事に全てを奪われて
「場所はどこがいいかしらぁ」

「そうですね
海の見える場所はどうでしょう?」

「ああ、いいわねえ
ロマンチックだわぁ」

母と元の話が盛り上がる

わたしは父と目を合わせて深いため息をついた

元って意外と…ロマンチストなんだな

初めて知ったよ

式なんて別に…いいじゃん

わたし、呼ぶ人なんていないし

呼んでどうする?って気もするしな

どうせ

母は父の取引先を呼ぶんだろ?

元は、将来受け継ぐ会社の取引先を呼ぶんだ

そんなのに金をかける必要なんてねえよ

「さきに車に戻ってるか」

「ああ」

わたしは父と一緒に車に戻る

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