俺様執事に全てを奪われて
「乙葉…ありがとう」

元の優しい言葉をともに、そっと抱きしめられた

「妊娠してるよ」

やっぱり…今度は妊娠している気がしたんだ

元の子が腹にいるのか

なんか不思議だ

わたしの腹の中に、違う生命がある

「そうか…妊娠しているのか
なら…明日、学校帰りに区役所に行くか?」

「いいのか?」

「だって産んでいいんだろ?」

「産んでくれるのか?」

だから…互いに質問しあっていたら、答えが出ないだろうがっ!

「元の子だ
おろす理由がない」

「良かった」

元がほほ笑んだ

わたしを抱きしめたまま、ふぅっと息を吐いた

「ありがとう、乙葉」

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