俺様執事に全てを奪われて
元はわたしが起きたのを確認すると、一度部屋を出た

わたしはメイドが用意してくれた白いワンピースを着る

眠くて、じっと立っているとそのまま夢の中に落ちていきそうだ

着替えが終わると、わたしはいつもように鏡台に座る

間もなくして、一度退出した元が入ってきた

「寝ぐせが酷い」

元がぼそっと呟いた

「昨日、濡れたまま寝たからな」

「濡れたまま、ねえ
そうだな
全身濡れてた」

「エロい言い方をするな」

ふんっと元が鼻で笑うと、櫛を片手に整え始めた

今日は、霧吹きで髪を濡らしていた

ドライヤーで整えてから、ワックスで髪を落ち着かせていた

座っていても…やはり眠い

ついつい船をこいでしまう

ごんっという鈍い音で、わたしは目を覚ます

鏡台の角に額をぶつけていた

い…痛いっ

わたしは額をさすっていると、すっと元に手を握られた

え?

わたしが顔をあげると、元がぶつけた額の上にキスをした

「そんなに眠いなら、昼寝をするといい」

「いいのか?」

わたしは笑顔で振り返る

「沿い寝してやろうか?」

「断る」

わたしは鏡を見る

髪はすでに整っている
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