俺様執事に全てを奪われて
「わたしの質問を聞いてる?」

ぽけえっとしている女子にわたしはもう一度、声をかけた

「え? …ああ、えっともしかして
有栖川の見合い相手の女性?」

女子は飯島冴子を見た

飯島冴子はこくんと頷くと、わたしを見る

「わたしは椎名乙葉と申します」

「はあ…私は滝沢愛子です」

愛子がぺこっと頭をさげた

なんか余裕?

いいなあ

あれが恋人の余裕かっ!

有栖川、ずるいぞ

こんなナイスバディな女子と、いけないことを毎晩しているんだなっ!

プリンス有栖川が…毎晩……ううっ

…って違うっつうの

「聖一郎に会いたくなっちゃってぇ…」

「そりゃまた、良いことで」

愛子はとくに聞きもせずに、受付にあるパイプ椅子に腰をおろした

「聖一郎って格好いいわよね?」

「はあ…そうですか」

「聖一郎の指ってエッチよね?」

「はあ…良かったですね」


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