僕らのベリーソルジャー
やべ、と言いながら一悟は天馬をかき抱く。


強く抱かれる天馬の唇から、あ、と声がこぼれた。


「ふっ………くっ!」


押し殺した声が続けて零れ落ちる。


「我慢なんてするなよ。……………声、出せよ。」


自分も少し震える声で、一悟はそう言い、深く抱き締め直した天馬の両耳を、大きな掌で塞いだ。


「誰も聞いてない。お前は雑音なんて気にせずに、好きなだけ声出して、泣いちまえ。」


そう耳元に囁かれた後、聴覚を奪われた天馬は。




記憶にあるかぎり生まれて初めて。


何も気にせずに大声を上げて。





泣いた。
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