僕らのベリーソルジャー
「そっか。…寒くないか?」


再びそう問われ、天馬は自分に一悟の上着が掛けられていることに気が付いた。


「僕は全然寒くないよ。それより、一悟の方こそ寒くない?僕に貸してくれて、一悟はシャツ1枚だけじゃない!」


10月に入って、まだ残暑の名残があるとはいえ、緑に溢れるこの庭園は少し他の場所よりも温度が低い。


そして、ふたりが席を占めていたベンチは涼やかな風のよく通る木陰にあった。


「寒くなんてないさ。おまえを抱いていたからな。」


そう言って笑う一悟の表情に、嘘は見えない。
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