Space King
――ホワイトオリジン西

まだ10さいばかりの少女は、まっすぐな笑顔を父親にむけた。

「私の!?パパ…
これ…この銃、私にくれるの?」

「あぁ、お前のだ。カイ…。」
父親は娘の頭を撫でた。

娘を抱き上げ、額に軽く口付ける。
亡き妻を見るかのような、切ない瞳で娘を見る。


「やったーー!!
私、パパ見たいにね、立派なハンターになるの!」

「そうか。
カイ、パパは竜を狩って来ます。
ママの敵を…」

「パパ?」

娘は父親を覗きこむ。

「必ず生きて帰って来ます。
十分に練習したはずです。
カイなら、どんな魔物も、敵も倒せますよ。
いってきます。カイ。」

父親は翼を広げた。

「パパ?!」


父親は竜を倒せない。
カイはそう感じた。


「パパ!!行かないで!
ママは…いなくなった。
パパも…いや…」


父親は遠い。
言葉も聞こえない。

ならばとカイは銃を天に向けた

「一人にしないで!戻ってよ…」


バゴーーン!!





父親は振り返らない。

空に消えた。


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