俺たちの反抗
斉藤はハンバーグに手をつけようとはしない。

ハンバーグはジュージュー音をたてている。

それが静かな空間に響き渡る。

周りの雑音もとてもよく聞こえた。

「フッ」

下を向いたクボタが笑った」

何がおかしいのだろう。

誰もがツバを飲み身体を萎縮させる。

「協力するよ。いや、協力させてくれ」

クボタは斉藤を見てそう言った。

斉藤はニヤッとして、

「ありがとう」

そうお礼を言って頭を下げた。

ハンバーグはもう音をたててはいなかった。
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