◆悪魔様のお気に入り◆

「……っなに?」
 
「お前、名前はなんていうんだ?」

 そう聞き、なぜかとっさにある名前を言ってしまった。


「林田夏帆」


「ふーん?」
  
「いっとくけど、俺は嘘つかれんのが一番むかつくから」


 そういって悪魔は去って行った。
私は一気に血の気が引いた。


 
 なんで夏帆の名前を言ってしまったのか、今更後悔した。


 とりあえず心の中でつぶやく。



 

 ……ごめん、夏帆。



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