青空 -そら- への手紙 ~私の愛する人へ~
どちらからともなく、瞳を閉じた私達は――。


口付けをした。


初めての口付けは、
悲しみと切なさと、涙の味がした―――。


その後の私達は、淋しさを埋めるためか、紛らすためか、幾度となく唇を重ねた。


唇を重なるごとに、胸に鉛が埋まるような感覚に襲われたが、決してやめることはなかった。


私の中の悲しみがなくなることはなかったから―――――――――。
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