PsychoCabala〜第7の男〜
人気の無い閉園後のテーマパークの駐車場に

黒のポルシェ911はアイドリング音だけを静かに鳴らし、動か無くなっていた。



エミのポルシェのヘッドライトが照らす正面。



先程の赤いマセラッティがこちらに向け
同じくヘッドライトを光らせていた。



エミはマセラッティを強く睨み付け、息を飲んだ。



暫く続くお互いの威嚇の後、

向かいの車から二人の男が降り立った。



エミはその様子を伺い、
佳代の顔を見た。



佳代は相変わらず蝋人形のように動かず、
目を開いたままだった。



「佳代ちゃん。

絶対守るからね。

私の事、忘れないで・・・。」



エミは死を覚悟していた。



エミは静かにポルシェを降りた。



すると向かいの
背の高い男が声を掛けてきた。



「なかなか、いいドライビングテクニックでしたよ。

あなた。


PCの方とお見受けしました。」



その冷静に話す男を見据え
エミはこう言い放った。



「余裕ね・・・。

白々しい。

最初から付けてたでしょ。

渡さないわよ『彼女』は。」



その勇ましいエミの言葉に男はニヤケながらタバコに火を着けた。



「その感じ。

好きですねぇ。

あなたの仲間の

『村上帯斗』も最初そうでしたよ。

本当にPCには負けず嫌いが多いと見える。」



その男のセリフにエミは全てを悟った。



こいつ・・・。

帯斗を襲った、一琵の片割れ。

『兜』だ。



エミは羽織っていた長い黒のサマーコートを右腕で
勢い良く後ろに払いのけ、
静かに『敵』を見据え腰を落とし、戦闘態勢に入った。

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