恋するキモチ
「しつれいします…」
あんまり訪問したくない先生の控え室。

七瀬先生は職員室じゃなく、教科控え室にいた。


「堀徹平です」

「あれ?徹平くん、追試だっけ?」

「はい」

七瀬先生は、採点している手を止め、俺を見た。


「先生、職員室にいないから、探しましたよ」

さっき、授業で「追試の人は職員室へ」って言ったのに。


「ごめん、ごめん。職員室嫌いなの。だって、周りにいるの、みんな先生なんだよ。息苦しいじゃない」

あの…
あなたも先生なんですけど?

七瀬先生は、ちょっと変わってる。
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