恋するキモチ
「先生、俺、追試よりタイムの方が気になるんですけど、今度フォーム見てもらえます?」

七瀬先生は高校時代、長距離選手だったらしい。


「はあ?」
七瀬先生のあきれた顔。


「徹平くん、そうゆうことは追試受かってからにしてくれる?」
七瀬先生が腕を組み直す。

「これでも、私、教師だから、きみ達生徒に勉強してもらわないと困るんだよね。何回も追試受けられる身にもなってよ」

「まっ正直、誰が追試を受けようが、私には関係ないんだけど」

「ははは…。はい」

七瀬先生ってわかんない。

どっちなの?
勉強してもらわないと困るって言っといて、
関係ないって?
普通、教師がそんなこと言わないでしょ。

やっぱり、変わってる。
< 38 / 267 >

この作品をシェア

pagetop