恋するキモチ

10.初めての思い〔徹平side〕

スタートラインに着く。


観客の声援。
周りの選手の息づかい。
心臓の音。




「よーい、」


何もかもが、一瞬消えてなくなる。




バァン


ピストルの音と共に俺は走り出す。


俺の走り方はスタートダッシュで8割りが決まる。後はペースを落とさずに走り切るんだ。

目の前にいるのは、二人。

奴らに追い付いて行く。



徹平、頑張れ
足を前に出すんだ
息を吸って

俺は自分の中の俺と戦う。
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