聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 流依や先輩達は男の身でこの女子校のアイドルを頑張って演じてる。


 じゃあわたしは?


 わたしはお母さんや学園長の思惑に流されてフラワーになっただけ。

 その事実を知らないときも、退学にならないために仕方なくフラワーでいただけ。



 わたしはイヤイヤと言われるままにフラワーを演じていただけ……。



 そんな中途半端な身に、フラワーの“特別”と言う言葉が圧し掛かる。

 自分の不甲斐なさに気付いてしまって、今まで意識していなかった言葉が重さを増した。



 わたしはこのままじゃいけない……。

 頑張らないと。

 でも何を頑張ればいいのか分からない。


 頑張れるもの……目標が欲しい。




 球技大会を目前にして、わたしはやっと自分に足りないものに気が付いた。




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