sakura-君と出逢えて-
だって、テスト期間でしょ?
勉強時間が削られちゃう。
わたしなんかより勉強を優先してよ。
そんなに優しくされると……。
って、ないないないっ!
プルプルと首を振ってパチンと頬を叩く。
しっかりしなきゃ。
中町駅に着くと改札の向こうに咲来がいた。
わたしを見つけると、笑顔で手を振る。
本当にいた……。
「春、大丈夫?」
「だから、大丈夫だって!」
「いや、何か顔、青いから……」
そう、咲来がわたしの手を握る。