sakura-君と出逢えて-
別に岡田に伝える必要はないのかもしれない。
でも……ゆずのこともお母さんのことも知ってる岡田。
事実を伝えたいと思った。
ずっとゆずのことを気に掛けていたから……。
「あの……ね、ゆずのこと……」
「ん……どうせ、もういないんだろ?」
「え?」
「何となく……桜が散るとそんな話も聞かなくなるし、そんな気がしてさ……」
ちょっぴり淋しそうな岡田。
岡田にはゆずが見えていないはずなのに、そう感じるんだろうか。
きっと、岡田はゆずのことが心配でならないんだ。
ずっとずっと気にかかってるんだ。