とある青年の復讐劇
ぱらぱら。


「………あぁ、あめ」


違う。
その雫は紅い。


「ちがうか。…血の雨だ」

血に酔いしれるように、紫苑は両腕を広げた。



黒い髪に白い腕に、紅い点々が出来ていく。


「綺麗だ」


呟いた、その瞬間だった。



「…すごいね、荊徒紫苑」


同じくらいの年頃の、青年が立っていた。
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