とある青年の復讐劇
"あいつ"を殺すためだけに生きる、夜叉と化す。



化け物じみた、咆哮と。

化け物じみた、微笑と。




「…っ、何で、なんでなんだよ、何で遥は死んで俺は生きてる?!何であいつは死んで俺は生きてる?!…何で、何で、荊徒紫苑、あんたが生きてるんだよ!」



「…それを答える義務が、俺にあるっていうのか?」



ダガーとナイフが、耳に響く金属音を残して衝突する。

防ぐ、攻める。斬る、突く、払う。


「畜生ッ!どうしてだよ、何で…ッ、何で何で何で、何で何でどうしてッ!!」

半狂乱になっていく暗殺者。

冷静過ぎる廃墟の王。

間違うな。両方、血に酔い、仇討ちに取り付かれているだけだ。


「「…ぶっ殺す!!」」






今までで一番大きな金属音が、した。
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