硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~


「七海さん」


今度は、日和が声かけた。

「なに」


「うん。

私ね、」


「うん」


「七海さん、覚えてる?」


「ん?」


「初めて出会った時、
私、返事もできなくて。
何を聞いても黙っていて、見ているだけの私に、
七海さん、言ったの。

「何か言ってよ。
言ってくれないと、
君が、何を思っているのかわからない」って」

「あぁ、うん」


「それを言われて、
私、衝撃だった」


「衝撃?」


「うん。

私のことは、両親が決めていて、
私の意思を求められたことがなかったから、
初めて衝撃だった」


「そっか」


「うん。

それで、考えて。

初めて、自分で自分のことを考えた。

私は、どうしたいのか。

私は、どういう人間なのか」


「で、

何かわかったの?」


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