硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~

女王 儷美子 ―レミコ―

金曜の夜。


今夜は、わたくし、
七海 龍星が、
語りましょうか。


街は、まだまだ眠らず。

私の経営する、
夜の店の各店も、
お客様が入り、
盛況に賑わっていた。


私は、自社ビルの四階、七階、九階、そして、
最上階十階へと、
自分の店を、見回る。

ブティックなどの店は、昼間に。
ちなみに、ブティックは、四階にある。
そして、
宵からは、夜の店を。

まずは、
四階のレストランから。
レストランは、
和風の店と洋風の店の
二店舗。
各々朝から開店で、
夜になると、
夜という時間に酔いしれる気分を感じさせる様な夜用のメニューに変わる。

七階は、
高級クラブ『紫仍』(シヨ)。
七階全部を使った、
ゴージャスでエレガントな店。

九階は、PRESIDENT ROOMとショットバー。
ショットバーには、
純那(ジュンナ)という女性をバーテンダーに置いている。
彼女は髪の長い、しとやかな女性であるが、
仕事になると、
衣装、髪型とともに、
見事に、雰囲気が変わる女性である。
気品はそのままに、
見る度に違う雰囲気を
かもしだす彼女に会いたいがために、
男性客は、惜し気もなく、店に足を運ぶ。
彼女のバーテンダーの
腕は、一流で、
シャイカーのパフォーマンスにも、お客様は、
喜ぶ。
九階からの眺めは、
最高で、
見渡す限りに広がる、
最高の夜景を見ながらの、彼女のパフォーマンスに、お客様は、
驚愕し、歓喜する。
それを見るのを楽しみにしている、
女性の客も多い。
たまにする、
お客様をローテーブルに着かせて、
御注文のカクテルを
シャイカーした後、
お客様の傍らに立ち、
片足をそっとくの字にし、
自分の美脚の間から、
カクテルグラスに
カクテルを注ぐ姿は、
男どもの心をそそる。

そして、
キャバレークラブ
『beauty』
と、
ホストクラブ
『gentle』
のある、

最上階へ。


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