正反対恋愛【完結】
でもしばらくして風の噂が耳に入った。


真理子があたしの代わりに嫌がらせを受けていると。



『真理子、あたしと一緒にいると真理子までみんなに嫌われちゃうよ?』


あたしがそう言っても、真理子は表情一つ変えずこう言った。


『嫌われたって別にいいの。あたしは佐奈と一緒にいたいだけだから』


人の痛みに敏感で、自分を犠牲にしてまでその痛みを背負いこもうとする。



真理子は昔からそういう人間だった。

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