正反対恋愛【完結】
「でも、もういいの……」
あたしがバカだったんだ。
自分の身分もわきまえずに、翔太君にチョコを渡そうなんて無謀な事を考えたあたしが。
……翔太君の目を見て、分かったの。
嫌でも分かっちゃったの。
『俺に近付くな』
翔太君は心の中でそう叫んでる。
地味なあたしとは関わり合いを持ちたくないんだね。
翔太君の気持ちは痛いほど分かる。
あたしと関わると、他の男の子達からもからかわれちゃうもんね。
迷惑かけて、ごめんね。
もう二度と近付いたりしないから。
「佐奈………」
あたしは真理子の手からチョコを受け取ると、翔太君達に背中を向けた。