社長と恋



エレベーターから降りると、山崎は不思議そうに言った。


『あいつ?』


「あの、営業の菊地なんとかだよ。」


俺がそう言うと、山崎は思い出したように頷いた。


『あぁ~!
菊地君ね!
高校の時の同級生。
なんで?』


キョトン、と俺を見上げる山崎に激しく動揺した。


「え、なんでって…………」


何て言おうか必死に頭を回転させていると、俺の横から山崎!という声が聞こえた。


俺と山崎が同時にそちらを見ると、噂をすればの菊地が満面の笑みで立っていた。


……………は?


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