社長と恋



『…そうなんだぁ……』


笑おうと笑ったのに全然笑えなかった。
そんなあたしに気付かない後輩は夢うつつな瞳でぼんやり言った。


「あたしも社長に本気になっちゃおうかなぁ~」


『だ、だめ!』


ハッと自分で驚いて自分の口を押さえると、後輩もキョトン、としてあたしを見た。


「え?」


『あ…えっと……そんなライバル沢山なのに辛いじゃん!
止めた方がいいんじゃないって事…………』


…なんか、自分の事言ってるみたい。


後輩は納得したのか、あぁ~と頷いた。


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