社長と恋
ゆっくり目を開けると、鏡越しに自分と目が合った。
『………………!』
いつもあたしがしているみたいなファンデーションのノリではなくて、凄く血色のいいツルツル肌に、ふんわりピンクのチークと、いつもより大きい優しい目元。
プルプルの唇にはピンクが薄く色付いていた。
『…顔が地味じゃなくなった…』
鏡をマジマジと見つめていると、今度はコテで髪をクルクル巻きだした。
あたしはセミロングだから髪なんか普段巻かないし、巻き方もいまいち分からない。