続きは、社長室で。2
手蔓の、始まり。


拓海のモットーは“有言実行”だと、傍にいた立場として分かっていたハズだけれど。



そんな私の予想なんて比ではなく、数え切れないほどに別世界へと誘われた・・・




“愛してる”と何度も言葉をくれたあと、今度は身体にソレを教え込ませてくれて。



ただ受け入れるコトで精一杯だったほど、いつになく激しい愛証が降り注いだ…。




「…っ、す、き…」


「知ってる…」


溢れ出るキモチを途切れ途切れに呟く私に、貴方はフッと一笑して見下げていて。



そんな表情を見せてくれるだけで、贅沢で特別なトキという証な気がしたの…。




「…あっ――!」


意識が途切れそうな中で拓海の広い背中に、ギッと爪を立てていた…――





今まで私は、優しすぎる貴方に密かに守られていたコトなど知らナイで。



尋ねる勇気もなく1人で泣いて、すべてを信じきれずに勝手に怖がっていた。





貴方の優しい笑顔、大好きなホワイトムスクの香り、私の名を呼ぶ声色…。



私に向けてくれる貴方のすべてを、ようやく受け取るコトが出来たというのに。




強く生きていく為には…、このトキの私では力不足だったのかな・・・




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