続きは、社長室で。2
四方から向けられる視線は、チクチクと針を刺しているようで。
自分のデスクまでが、今日はやけに遠く感じるほど…。
すると先輩秘書の1人が、私の前方を塞ぐように構えてしまう。
正面に立たれては、視線を逸らせないというのに・・・
「ねぇ、佐々木さん?」
「は、はいっ…」
どこか異様な雰囲気と冷たい声色を受けて、震えて出た声。
「社長と結婚するって聞いたけど…、それ本当なの?」
「えっ…、あ、はい…」
いきなり尋ねられてしまい、戸惑いながらも頷いた私。
朝の出来事が知れ渡るほど、今回はあまりにネタが大きすぎる…。
「へぇ…、そうなんだ。
貴方、一体どんな手法を使ったの?」
「っ・・・」
「見かけによらず、ベッドの中では激しいとか…?」
嘲笑のあとで齎された言葉が、ズシリと心に圧し掛かった。
遠慮気味にクスクスと聞こえる声も、さらに苦しさを増していて。
「ッ・・・」
事実だからこそ、ギュッと締まる胸が悲しさを募らせていく――