続きは、社長室で。2
密室空間から開放されると、そのまま秘書課へと足を進めていく。
本当は1人になって、頭を冷やせるかと思っていたのだけれど。
1人になっても結局は、グルグルと負の想いが駆け巡るだけだった。
何も出来ないから辛くて、拓海にも反発して出て来たというのに…。
一体どうすれば私は、貴方を困らせないで済むの・・・?
トボトボと歩いて到着した秘書課を眼前にして、まずは呼吸を整えた。
こうして近づくにつれて、秘書ではなくなる寂しさが募っていたから。
ガチャッ――
気合を入れ直してドアに手を掛けると、そのまま扉を開け放った。
響いたドアの音に、室内にいた人全員の眼が一斉にこちらへ向いて。
「し、失礼します…」
私は慌てて一礼をすると、恐る恐る中へと足を踏み入れて行く。
「っ・・・」
そうして入室した途端、何故だか息苦しさを覚えてしまう。
何となく…、今日の雰囲気はいつもとチガウ・・・
いつもならスルーされているか、冷たくあしらわれているのに。
どうしてなの・・・?