続きは、社長室で。2
不思議に思ってジッと凝視すれば、走り書きのメモを見つけた。
【これに着替えて来て。
スーツはクリーニングに出したから】
「っ・・・」
紛れもナイ拓海の筆跡に、紙を持つ手にはキュッと力が入った。
抱き上げられて辿り着いた私は、手ぶらのままシャワールームに来たので。
散乱したハズのスーツたちを、今から拾いに行こうとしたのに…。
こんなサプライズを仕掛けられて、胸がキューっと苦しくなった。
どれだけ貴方を、愛おしいと思わせるの…?
どれだけ好きになれば、このキモチは飽和状態になるの…?
募る想いが増すだけで、もう絶対に離れられナイよ…――
ガチャッ――
すべての身支度を終えると、秘密の部屋の重厚なドアを開けた。
「待たせてゴメンね?」
「いや…、可愛いよ」
「っ…、ありがとう――」
ブラウンの瞳でジッと見つめられて、恥ずかしくなってしまう。