続きは、社長室で。2



一糸纏わぬ姿を見られていようが、そんな視線を向けられて困るのに…。




ベージュ色のグログランワンピースは、身体のラインにピタリと沿っていて。



裾へと広がるフレア感は、シンプルながらに堪らなく可愛いデザインで。



この着心地の良さと上品さは、流石のFOXEYだね…。





「ホントに、これで大丈夫…?」


「当たり前だろ・・・

よく似合ってるよ――」


「・・・っ」


躊躇いがちに尋ねたものの、反応に困る返答でドギマギした私。




サラリと褒めてしまえる所は、アメリカナイズされているのかな…?




秘密の部屋の前で佇んでいれば、いつの間にかキョリが縮まっていて。




「仕上げはコレ…」


「え…?」


一笑したあとで、ノースリーブの私にシルバーのショールをかけてくれた。





「よし、帰ろうか?」


「・・・うん」



バタン――

朝とはチガウ晴れやかなキモチで、社長室の扉を閉めて退出した。




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