続きは、社長室で。2
地面を這うように走行し始めた、ランボルギーニへと身を預けつつも。
内心は今にも躍動しそうなほど、嬉しさが込み上げて仕方が無かったの。
あのトキを拓海も、デートにカウントしてくれていたコトを知れて…。
そうして連れ立ってくれたのは、六本木にある会員制の高級バー。
社長室と同様に、指紋認証キーを開錠して入店するお店だった。
2人きりの空間で、見つめ合って、普通に食事をして、ただ笑い合って。
すべての鎧を外せるほど、まさに安らぎの場所のようだったね・・・
「気に入った…?」
「うん・・・」
ムード感たっぷりの空間でさえ、拓海の扇情的な瞳には敵う訳もなく。
「ふっ…、ン――」
互いにノンアルコールで素面の状況の中、熱情に任せてキスを交わした。
繊細なBGMに身を委ねつつ、拓海の首へと腕を回して唇を重ねていたの。
それは贅沢極まりなくて、幸せすぎるヒトトキで・・・
お互いのキモチが一緒だったのだと…、このトキは信じて已まなかった。
未来もずっと、途切れるコトなどナイと思えていたから…――