お姫様と7人の王子様
熱帯夜(ビル)


眠れぬ夜の過ごしかた






「やっと見つけた。アリス様」


森の中を散歩していたら、聞き覚えのある女性の声とともに急に私の視線に薙刀のような物があらわれた。


「えっ……」


私は急に来たその攻撃を紙一重で避けると、攻撃した主と距離を取るように後ろに下がった。

レジスタンスとして命を狙われる身としては、これくらい普通だ。

といっても初の実践なのでドキドキだ。

とりあえずは攻撃した人を見ないと、そして逃げられそうだったら逃げなきゃ。

そう思いながら、攻撃の主をみると私は唖然とした。



「残念」


そう悔しがりながら言うのは、鏡の前で毎朝見る顔。

声は勿論、口調、表情も何となく似ていると思う。





そう……何故か目の前にいたのは、私と外見が全く同じ女性だった。
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