お姫様と7人の王子様
「あなたは?誰?」
驚きつつも、今までの出来事に抗体が出来ているらしく、そこまでとは感じなかった。
寧ろ自分と似ているし、説得出来るかもしれない。
そう感じた私はニコニコしながら彼女に話しかけようとした、だがそれより早く彼女が口を開いた。
「やぁ…私はあなた、あなたの中に住んでいるもう一人のルイ」
そういいながらクスリと笑った。
「どういうこと?」
「救世主に相応しくない。私になんか期待しないで、私は普通の人間なの、私は……」
私の問いに答えずに、哀しい声色で呟き続けるもう一人の私。
その言葉が私の胸の中でずきずきと突き刺さってきて、聞いているだけで、おかしくなって来そうだった。
「やめて!!」
「ティック。ビルさん。私なんかを守らなくて良いんだよ。ジョーカーさんはなんでそんなに優しくしてくれるの……」
それでも今だに言い続ける目の前の私。
聞きたくない。
いやだいやだ。
いやだいやだいやだ。
誰か助けて。